あいさつ
皆さん、おはようございます、こんにちは、こんばんは。
どうも、AK-TONBOです。
今回は前回に引き続き変化球。
炎症と栄養の話をしていきたいと思います。
炎症という言葉、皆さんはどんなイメージを持っていますか?
おそらく、捻挫した時に腫れる・風邪をひいて喉が痛くなる・傷口が赤くなる
こういった「見える炎症」をイメージする方が多いと思います。
しかし今回は「見える」部分の話ではありません。
慢性炎症
こう呼ばれる、「見えない」炎症の話です。
これが実は生活習慣病・肥満・老化・メンタルの不調に深く関わっているとされています。
以前、不飽和脂肪酸編でオメガ3とオメガ6のバランスが炎症に関係すると書きましたので、今回はその話をより深く、栄養全体と炎症の繋がりとして整理していきたいと思います。
炎症とは
まず炎症のメカニズムを整理します。
炎症とは体が傷・感染・ストレスに対して起こす防御反応です。
傷ついた場所に免疫細胞を集め、原因を排除して修復するための体の正常な反応です。
発赤・腫脹・熱感・疼痛・機能障害の五つが炎症の古典的な徴候で、これは医学の世界では有名な話になっています。
これに関しては僕もこれを書くまで知りませんでした(笑)
急性炎症と慢性炎症
炎症には二種類あります。
急性炎症:捻挫・感染症・傷など、原因が明確で短期間で収まる炎症。これは体にとって必要な反応です。
慢性炎症:原因が持続し、低レベルの炎症が長期間続く状態。自覚症状が出にくいため「サイレント炎症」とも呼ばれます。
そして今回はこの慢性炎症が問題です。
慢性炎症が続くと動脈硬化・糖尿病・がん・アルツハイマー病・うつ病などのリスクが上がることが研究で示されています。
そして食事・生活習慣が慢性炎症を引き起こす・あるいは抑制する大きな要因になります。
炎症を引き起こす食習慣
まず炎症を悪化させる方向に働く食習慣から整理しましょう。
①オメガ6の過剰摂取
不飽和脂肪酸編で詳しく説明しましたが、オメガ6脂肪酸(リノール酸)は体内でアラキドン酸に変換され、炎症を促進するプロスタグランジンという物質の材料になります。
現代の食生活ではサラダ油・マヨネーズ・加工食品など、普段の食事を通じてオメガ6が過剰になりやすい状態です。可能であれば毎日気にしていきたい点ではあります。
②精製糖質の過剰摂取
白砂糖・ブドウ糖果糖液糖・白米・白いパンなど、精製された糖質を大量に摂取すると血糖値が急上昇します。
食品表示編で「ブドウ糖果糖液糖は血糖値を急上昇させやすい」と書きましたね。
この血糖値の急上昇が**AGEs(終末糖化産物)**と呼ばれる炎症性物質の産生を促します。
AGEsはたんぱく質や脂質が糖と結びついて変性したもので、血管・皮膚・骨などの組織にダメージを与えます。老化と炎症の深い関係がここにあります。
よくこれのせいで
白い食べ物は体に悪い!
なんて言う人がいますが
そんなことないですからね!
結局は量の問題です。しっかりとその点だけは押さえておきましょう。
③トランス脂肪酸
脂質編・不飽和脂肪酸編で触れたトランス脂肪酸です。
炎症促進作用・LDLコレステロールの上昇・HDLコレステロールの低下という三重の意味で炎症・心血管リスクを高めます。
マーガリン・ショートニング・市販の揚げ菓子・ファストフードに多く含まれます。
う~ん。全部手軽に手に入る物ばかり…
やっぱり楽に走ると何かしら悪い点があるんですね。
④アルコールの過剰摂取
アルコール編で書いた通りです。
腸のバリア機能を低下させ、腸から炎症性物質が漏れ出しやすくなります(リーキーガット)。
肝臓でも炎症が引き起こされます。肝臓は沈黙の臓器。皆さん大事にしてください。
⑤食物繊維の不足
腸活編・食物繊維編で腸内細菌が短鎖脂肪酸を産生して腸のバリアを守ると書きました。
食物繊維が不足すると腸内細菌が減り短鎖脂肪酸が産生されにくくなります。
腸のバリアが弱まると炎症性物質が血中に漏れやすくなり全身性の慢性炎症に繋がります。
炎症を抑える食習慣
次に炎症を抑える方向に働く栄養素・食習慣を整理します。
①オメガ3脂肪酸
不飽和脂肪酸編のメインテーマでしたね。
EPA・DHAは体内で炎症を抑えるレゾルビン・プロテクチンという物質に変換されます。
オメガ6とオメガ3のバランス(理想は4:1程度)を整えることが慢性炎症を抑える上で最も重要な食事介入のひとつです。
青魚(サバ・イワシ・サーモン)を週2〜3回食べることが現実的な目標です。
アマニオイルなんかいいですね。
②抗酸化ビタミン(C・E・A)
酸化ストレスと炎症は密接に関連しています。
というのも、酸化が炎症を促進し、炎症が酸化を促進するという悪循環になるからです。
ビタミンC・E・Aはこの酸化ストレスを抑えることで間接的に炎症を抑えます。
ビタミンC編でビタミンEの酸化を防いで再生する話をしましたが、抗酸化ビタミンはチームで機能しています。
③ポリフェノール
野菜・果物・緑茶・ダークチョコレート・赤ワインなどに含まれる植物性の抗酸化物質です。
代表的なものとしてはブルーベリーのアントシアニン・緑茶のカテキン・ターメリック(ウコン)のクルクミンなどがあります。
これらは強力な抗炎症・抗酸化作用を持つことが研究で示されています。
カテキンは結構テレビなんかでも少し注目されてましたね。
④食物繊維・プレバイオティクス
腸内細菌が産生する短鎖脂肪酸のひとつ**酪酸(らくさん)**は腸の粘膜細胞のエネルギー源であり、腸のバリアを強化して炎症を抑える作用があります。
食物繊維をしっかり摂ることが腸を通じた全身の抗炎症に繋がります。
⑤マグネシウム
マグネシウムの不足が慢性炎症のマーカー(CRP)の上昇と関連することが複数の研究で示されています。
マグネシウムが豊富なナッツ・海藻・玄米を日常的に摂ることが抗炎症食の基本のひとつです。
⑥スパイス・ハーブ類
ターメリック(クルクミン)・生姜(ジンゲロール)・ニンニク(アリシン)などは強い抗炎症作用を持つことが研究で報告されています。
料理にスパイスを積極的に取り入れるのは栄養学的にも理にかなっています。
ただ、ニンニクなんかは入れすぎるとお腹の調子が悪くなるのでご注意を。
抗炎症食のパターン
個別の栄養素だけでなく、食事全体のパターンとして炎症を抑える効果が研究されているものがあります。
地中海食(Mediterranean Diet)
オリーブオイル・魚・野菜・豆類・ナッツ・全粒穀物を中心に、肉・乳製品・精製糖質を控えめにした食事パターンです。
慢性炎症・心血管疾患・認知症の予防効果が世界で最も研究されている食事パターンのひとつです。
オレイン酸(オメガ9)・オメガ3・食物繊維・ポリフェノール・抗酸化ビタミンが豊富に摂れる構成になっています。
特別なことをするわけではなく、日本食に近い部分も多く取り入れやすい食事パターンと言えますね。
スポーツと炎症
スポーツと炎症の関係は非常に深いです。
運動は炎症を引き起こす
激しい運動は筋肉に微細な損傷を与え、急性炎症を引き起こします。これが筋肉痛の正体で、修復・成長に必要なプロセスです。
ただし過剰な炎症は回復を妨げる
オーバートレーニング・慢性的な睡眠不足・食事の質の低さが重なると急性炎症が慢性化します。これがオーバートレーニング症候群の一因でもあります。
抗炎症栄養でリカバリーを高める
オメガ3・抗酸化ビタミン・食物繊維・マグネシウムを意識した食事が運動後の炎症を適切に制御し、回復を早める助けになります。
アルコール編で「トレーニング後の打ち上げで大量に飲むとゴールデンタイムが無駄になる」と書きましたが、アルコールが炎症を悪化させるという意味でも運動後の多飲は避けたい理由があります。
終わり
以上で炎症と栄養の話を終えたいと思います。
慢性炎症は自覚症状がないまま進行し、気づいた時には生活習慣病・老化として現れてきます。
毎日の食事で炎症を抑える選択を積み重ねることが、長期的な健康維持の土台になります。
オメガ3を摂る・食物繊維を意識する・精製糖質を減らす。
難しいことではありません。
なんて無責任なことは言いませんが、意識してみるのは皆さんの健康に直結することなのでお勧めします。
以上、AK-TONBOでした。